2023.6.8 コラム

親なきあと相談室です

親なきあと相談室です

「親なきあと相談室」三重事務局です。


数十年前、私が福祉事務所でケースワーカーをしていた頃、何よりもまず、作業所などの昼間の居場所となる施設が少なく、そのため親御さんには過大な負担がかかるなど、ご本人も親御さんも、大変な思いをされておられました。


その頃から比べると、現在は、福祉施設が多様化し、サービスメニューも増えてきています。

弊社はこれまで、親なきあとの対策を支援するため、無料相談、講演や、「親心の記録」「障害のある子が『親なき後』も幸せに暮らせる本」の無料配布等を行ってきましたが、そのたびに、施設の皆さん、親御さん方から貴重なお話を伺ってまいりました。


皆さまからのお話から、障がいを持つご本人が少しでも楽しく暮らしていけるよう、施設やサービスを有効に活用し、日々寄り添ってくださっている親御さんや関係者の皆さんの姿が想像されて、頭が下がりました。


その一方で、現在の施設、サービスの提供だけでは、ご本人が日々安らぎの中で、充実して暮らしておられるか、親御さんたちは安心して暮らしておられるか、という点ではまだ不十分、という印象を受けました。



「親なきあと」の対策もまだ十分浸透しているわけではないですが、その前に、まず今の、この時点の親御さん、ご本人様がゆっくりできたり、ちょっと相談ができたり、といった安らぎの空間が欠けているのではないか、と感じました。

弊社の本務は、障がい者の「親なきあと」の相談ですが、「親なきあと」の前に、障がい者ご本人や親御さんが安らげるような空間ができないか、そういった空間で「親なきあと」のことを提案できないか、弊社としてできることについて考えていきたいと思います。


障がいのある子の 「親なきあと相談室」