家族信託と他の制度について
家族信託と他の制度について
お客様から頂く相談で最も多いのが今回のテーマです。
家族信託とよく似た制度について、財産管理の視点からご説明いたします。
○家族信託とよく似た制度はどのようなものがあるの?
家族信託は、財産所有者から委託されて、財産の管理などを行うことが主な目的です。
他に、財産所有者に代わって財産の管理を行う制度は、財産所有者の生前においては、成年後見・任意後見制度がありますし、財産所有者が亡くなってからについては、遺言などがあります。
○成年後見制度・任意後見制度と家族信託はどう違うの?
成年後見・任意後見制度は、財産所有者の財産の管理という点では、家族信託と似ています。
成年後見制度は、託する相手である成年後見人を自由に選べない点があります。
任意後見制度は、公証役場で公正証書(任意後見契約公正証書)を作成する必要があります。
成年後見制度、任意後見制度のいずれについても制度開始にあたって、家庭裁判所に申立する必要があります。そのため、いざというとき、手続きに時間や手間を要するというデメリットがあります。
○遺言と家族信託はどう違うの?
家族信託は、財産の所有権を受託者に移すため、すべての財産を一括することは難しくなりますが、遺言は、財産全てをひとまとめにして任せられるというメリットがあります。
遺言は、財産所有者が生前に死後に財産の処分を遺言執行者に任せる制度です。そのため生前の財産管理はできません。
○家族信託のメリットって何ですか?
○家族信託のメリットって何ですか?
家族信託は、財産所有者のために管理することもできるし、身内の第三者の利益のためにも管理することができます。それゆえ、委託者の生前から受託者が管理し、その形を委託者が亡くなった後についても一つの契約で行うことができます。
また、受託者や受益者が亡くなった後についても決めておけるため、二次相続まで見越して一度に設定できるというメリットがあります。
さいごに
相続については、お一人お一人それぞれの想いをお持ちかと思います。財産を次の世代にどのようにバトンタッチするか、そういうビジョンをしっかり持っていただくことが大切だと思っております。
ご家庭の事情はそれぞれ異なります。ある方は、法律で決められた配分法通りにしたいとお考えかもしれませんし、またある方は、財産の分散を極力無くして次の世代に渡したいというお考えがおありかもしれません。あるいは、その財産に託した、もっと重要な思いをお持ちでしょうか。
成年後見制度・任意後見制度、遺言、家族信託それぞれ生まれも育ちも異なりますが、私たちは、お客様の思いをどのようにすれば実現するか、という視点から、これらを含むさまざまな制度を活用し、そのメリットが最大限生かせるよう、家族信託については、ご家族の想いが実現できるよう提案してまいります。
ご相談の際には、その想いや迷いを存分にお話ください。私どもはそのお気持ち、想いを受け止めていきたいと考えています。
お待ちしております。